事業承継・M&A補助金の申請代行は依頼可能?申請サポートの依頼先や注意点、おすすめ業者を紹介

事業承継やM&Aを実行する中小企業経営者にとって、補助金申請の複雑な手続きは大きな負担となっています。専門知識が必要な書類作成から電子申請まで、すべてを自社で対応するには膨大な時間と労力が必要です。

そこで本記事では、事業承継・M&A補助金の申請代行サービスについて、依頼可能な専門家の種類から選定時の注意点まで詳しく解説します。行政書士による書類作成代行の法的根拠や、採択率を高める専門家の活用方法など、実践的な情報をお届けします。

事業承継・M&A補助金の申請サポート業者おすすめ7社

スクロールできます
サービス名画像公式サイトサービス詳細所在地設立年採択率着手金成功報酬得意業種
FinTax株式会社/FinTax税理士法人公式詳細東京都港区2022年100%15万円12%製造/IT/スタートアップ
SMC税理士法人公式詳細東京都中央区2007年93%11万円10%中小企業
FDWORK合同会社公式詳細東京都渋谷区2020年100%5万円~補助金額の10%~中小企業
トライズコンサルティング公式詳細千葉県千葉市2020年ものづくり:93.0%
事業再構築:86.9%
14万円9%IT関連/飲食業/建設業/理美容/健康関連
株式会社アクセルパートナーズ公式詳細東京都品川区2015年公開なし10万円採択金額の10%
(下限10万円)
集客/IT/営業/求人
b株式会社公式詳細東京都品川区2025年90%0〜10万円20%IT/不動産業/製造業/サービス業
ユナイテッド・アドバイザーズ株式会社公式詳細東京都渋谷区2007年76.51%0円20%総合的な企業支援
事業承継・M&A補助金の申請サポート業者を選ぶ際の注意点

申請する補助金枠の条件に必要な資格や登録の有無を確認する
行政書士資格やM&A支援機関登録を確認し補助対象外経費となるリスクを回避


採択実績や採択率が適切に開示されているか確認する
年度別・枠別の詳細実績と第三者証明で数値の信頼性を見極める


料金体系と透明性を確認する
見積書に内訳を明記しトータルコストの上限を契約書で確定


サポート範囲と担当フェーズ、アフターフォローの有無を確認する
採択後の実績報告・検査対応まで契約範囲に含まれるか要確認


連絡体制・レスポンス速度にも注意が必要
24時間以内返信保証や進捗管理シート共有でスケジュール遅延を防止

補助金診断システム

いくつかの質問に答えるだけで、あなたのビジネスに最適な補助金を見つけます。

利用目的

どのような目的で補助金を利用しますか?(複数選択可)

業種

あなたの会社の業種を教えてください。(複数選択可)

第一次産業

製造・建設

情報・技術

流通・サービス

金融・不動産

教育・医療

その他

従業員数

あなたの会社の従業員数を選択してください。

所在地

あなたの会社の主な事業所の所在地を選択してください。

全国

北海道・東北

関東

中部

近畿

中国・四国

九州・沖縄

目次

事業承継・M&A補助金とは

事業承継・M&A補助金は、中小企業の事業承継や企業の合併・買収を支援するために設けられた国の補助制度です。経営者の高齢化が進む中、後継者不足により黒字経営でも廃業を余儀なくされる企業が増加しているため、貴重な経営資源を次世代へ円滑に引き継ぐことを目的としています。さらに、この制度を活用することで、中小企業の生産性向上と日本経済の活性化にも貢献できる仕組みとなっています。

事業承継・M&A補助金は、専門家への相談費用から設備投資まで幅広い経費を補助対象とし、最大1,000万円の支援を受けられる制度です。

具体的には、親族内承継や第三者への事業引継ぎに伴うコンサルタント費用、デューデリジェンス費用、設備投資費、さらには廃業時の費用まで対象となります。

デューデリジェンスとは?
M&Aの際に買収対象企業の財務・法務・ビジネスなどを詳細に調査・分析すること

補助金は複数の枠に分かれており、「事業承継促進枠」「専門家活用枠」「PMI推進枠」「廃業・再チャレンジ枠」などがあります。それぞれの枠によって補助率や対象経費が異なるため、自社の状況に合わせて最適な枠を選択することが重要です。

PMIとは?
Post Merger Integrationの略で、M&A後の経営統合プロセスを指す専門用語

たとえば、設備費や専門家謝金、外注費、委託費、保険料などが補助対象となりますが、申請には公募要領の確認と補助事業期間内の経費支出が必要です。次の章では、この複雑な申請手続きを代行できるかどうかについて詳しく解説します。

事業承継・M&A補助金の申請代行は違法?

補助金申請の代行を検討する際、最も気になるのが法的な問題です。実は、申請書類の作成を外部に委託すること自体は違法ではありませんが、行政書士法などの法律により一定の制限があります。ここでは、どのような形で申請サポートを受けられるのか、法的な観点から詳しく見ていきましょう。

事業承継・M&A補助金の申請代行は違法?

行政書士に申請書の作成を依頼することは可能
行政書士法により官公署提出書類の作成は行政書士の独占業務として認められている


その他専門家による申請サポートを受けることもできる
税理士や中小企業診断士がコンサルティング業務として事業計画策定を支援可能

行政書士に申請書の作成を依頼することは可能

行政書士法第1条の3により、官公署に提出する書類の作成を業として行えるのは行政書士のみと定められています。つまり、事業承継・M&A補助金の交付申請書や事業計画書を有償で作成できるのは、行政書士または行政書士法人に限定されます。

ただし、電子申請システム「jGrants」の利用規約では、最終的な申請送信は申請者本人が行うことが求められています。そのため、行政書士が代理で送信することはできず、書類作成後の確認と申請ボタンの押下は企業側が担当する必要があります。

jGrantsとは?
国が運営する補助金の電子申請システムで、オンラインで申請手続きが完結できるサービス

なお、例外として「電子委任状機能」を利用すれば、行政書士による代理申請操作も可能になります。しかし、委任状の添付や委任内容の登録が必要であり、最終的な責任は委任元企業に残ることに変わりはありません。

実際のところ、補助金事務局からの照会には代表者が直接回答するケースが多く、完全に手続きを任せることは現実的に困難です。そのため、効率的なヒアリング体制や証憑収集の仕組みを構築することが、代行活用を成功させる鍵となります。

その他専門家による申請サポートを受けることもできる

行政書士以外にも、税理士や中小企業診断士、M&Aアドバイザリーなどの専門家から申請サポートを受けることができます。これらの専門家は、事業計画のブラッシュアップや財務試算、企業価値評価、M&Aスキームの設計といったコンサルティング業務を通じて支援を行います。

さらに、公募要領の専門家活用枠により、これらのコンサルティング費用も補助対象となる場合があります。そのため、計画策定段階から専門家に伴走してもらうことで、実質的な自己負担を抑えながら申請書類の質を高めることが可能です。

ただし、申請書の有償作成と提出は行政書士に限られるため、多くのコンサル会社では最終的に行政書士と連携する「ハイブリッド体制」を採用しています。

契約時には、コンサルティング費と書類作成費を明確に区分し、それぞれの費用が補助対象となるかどうかを確認することが重要です。内訳を明示した見積書を取り交わすことで、後から予想外の費用が発生するトラブルを防ぐことができるでしょう。

事業承継・M&A補助金の申請サポートの依頼先

事業承継・M&A補助金申請サポートの主要5つの依頼先カテゴリー

事業承継・M&A補助金の申請サポートを依頼する際は、各専門家の特徴を理解して選ぶことが成功への近道です。ここでは、主要な5つの依頼先について、それぞれの強みと注意点を詳しく解説します。資格要件や採択実績、料金体系を比較しながら、自社に最適な依頼先を見つけていきましょう。

事業承継・M&A補助金の申請サポートの依頼先

行政書士法人
国家資格に基づく書類作成の専門家で電子委任状対応なら実質的な丸投げも可能


税理士・会計士
財務面の専門家として企業価値算定や資金繰り計画で採択率向上に貢献


M&A支援機関登録業者
中小企業庁に登録された仲介・FAで補助対象経費の要件を満たす契約書式を保有


コンサルティング会社
採択ロジックを研究したテンプレートと加点ノウハウで事業計画の説得力を向上


補助金専門の申請代行会社
各種補助金の横断的な実績から審査ポイントを体系化したナレッジベースを保有

行政書士法人

行政書士法人は、年間数百件の許認可申請を扱う国家資格者として、公的書類の形式要件を熟知している点が最大の強みです。料金は着手金20万円前後に成功報酬10〜15%を加えた体系が一般的で、電子委任状に対応している事務所なら実質的な丸投げも可能になります。

一方で、行政書士法人の弱点は、事業計画の中身を深掘りする経営コンサルティングを不得意とする点です。特にM&Aスキームの設計やPMI戦略の立案では、税理士やファイナンシャルアドバイザーなど他の専門家との連携が必要となるケースが多く見られます。

複数の士業が関わる場合は、それぞれの責任範囲と報酬配分を契約書に明記することが重要です。また、連絡窓口を一本化することで、プロジェクト進行の混乱を防ぎ、スムーズな申請手続きを実現できるでしょう。

税理士・会計士

税理士や公認会計士は、財務デューデリジェンスや企業価値算定、買収後の資金繰り計画策定を専門としています。補助金申請では「財務指標の改善効果」や「成長計画の実現可能性」を数値で示す必要があるため、貸借対照表や損益計算書へのインパクトを定量化できる税理士の存在は、採択率向上に直結します。

さらに、M&A後の経営統合フェーズ(PMI)における管理会計構築まで視野に入れた提案を受けられるのも大きなメリットです。統合後の経営効率化を見据えた計画書は、審査員に高く評価される傾向があります。

ただし、税理士法では補助金申請書の作成・提出を独占業務としていないため、書類作成を全面委任する場合は提携行政書士との共同受任となります。そのため、税務顧問契約と補助金コンサル契約がセット料金なのか個別料金なのかで総額が大きく変わることに注意が必要です。

見積取得時には「補助金関連のみの追加費用」を明示してもらい、予算オーバーを防ぐようにしましょう。

中小企業庁のM&A支援機関登録業者

中小企業庁の「M&A支援機関登録制度」に登録された仲介業者やファイナンシャルアドバイザーは、補助対象経費となる仲介手数料の上限や成果報酬率が定められており、補助金要件を満たす契約書式を備えています。登録リストは定期的に更新されるため、直近の登録有効期限を確認することが公募要領でも求められています。

M&A支援機関登録制度とは?
中小企業庁が信頼できるM&A支援機関を登録・公表する制度で、登録業者への支払いが補助対象となる

しかし、仲介会社は成約手数料に重きを置くビジネスモデルのため、補助金申請そのものは外部の士業へ委託するケースが多いのが実情です。そのため、タスク分割が不明確だと「誰が事業計画を作成し、誰が提出するのか」が曖昧になり、公募締切間際になって混乱が生じるリスクがあります。

契約前には必ず補助金対応の担当者と打合せを行い、申請業務のガントチャートを共有してもらうことで、進行の遅延を防止できます。特に責任所在を明確にしておくことが、トラブル回避の鍵となるでしょう。

コンサルティング会社

補助金専門コンサルやM&Aアドバイザリーは、採択ロジックを研究し尽くしたテンプレートや加点ノウハウを保有しており、事業計画の説得力を飛躍的に高めることができます。複数の補助金制度を横断的に比較し、最適な補助金を提案できる点も高く評価されています。

最近では、初回無料診断で採択可能性を数値化し、費用対効果を明確に提示するサービスも増えています。これにより、申請前に成功の見込みを判断できるため、無駄な出費を避けることが可能です。

ただし、コンサルティング会社は行政書士資格を持たない場合が多く、書類提出フェーズで提携士業をアサインする必要があります。この際、追加コストが発生したり、責任分界点が曖昧になったりするリスクがあるため注意が必要です。

実績公開の透明性と士業連携のスキームを具体的に示しているかをチェックし、契約書で「不採択時の報酬減額」や「追加作業の無償対応範囲」などを明記しておくことが、想定外のコスト膨張を防ぐコツです。

補助金専門の申請代行会社

補助金特化型の代行会社は、ものづくり補助金IT導入補助金など横断的な制度に対応してきた実績から、審査員が重視する採点ポイントを体系化しています。過去の採択傾向を分析したナレッジベースを社内で共有しているため、効率的かつ効果的な申請書作成が可能です。

IT導入補助金とは?
中小企業のIT化を支援する補助金で、ソフトウェア導入費用などが補助対象となる制度

事業承継・M&A補助金においても、過去の採択事例を基にしたテンプレートを活用しながら、企業独自の強みを盛り込んだカスタマイズ提案を行います。これにより、画一的な申請書ではなく、オリジナリティのある内容に仕上げることができます。

一方で、担当コンサルタントの経験値にばらつきがある場合、ヒアリング不足から内容が画一化されやすい点が弱みです。契約前に担当者のプロフィールや直近の採択事例を確認し、「自社と同業種・同規模の実績があるか」を必ずヒアリングしましょう。

さらに、進捗共有の頻度やレビュー体制を明示した「サービスレベル合意(SLA)」を締結しておくと、品質担保がより確実になります。

事業承継・M&A補助金で申請サポートを依頼するメリット

事業承継・M&A補助金の申請は複雑で時間がかかるため、専門家のサポートを検討する企業が増えています。ここでは、申請代行やサポートを活用することで得られる具体的なメリットを詳しく解説します。費用対効果を考慮しながら、自社にとって最適な選択を見つけていきましょう。

事業承継・M&A補助金で申請サポートを依頼するメリット

単独申請より採択率が大幅に高まる
専門家活用により平均採択率36%が50〜65%まで向上する実績データあり


専門知識による質の高い申請書類の作成ができる
評価項目の配点ウエイトを把握し審査員が重視するKPIを優先的に盛り込める


申請にかかる工数と時間の削減
平均100〜120時間の作業を70%以上削減し本業に集中できる環境を実現


形式不備による不受理や減点を未然に防げる
専門家の100項目超チェックリストで形式不備をゼロに近づける体制構築


公募期間内の申請に間に合わせやすくなる
通常6〜8週間の募集期間内で約2週間での申請完了を実現した成功例もあり

単独申請より採択率が大幅に高まる

2024年度公募の平均採択率は約36%という狭き門ですが、行政書士や専門コンサルを活用した案件に限定すると、採択率は50〜65%まで跳ね上がるという集計結果があります。※参考 : 中小企業向け補助金・総合支援サイト

この採択率向上の要因は、単に書類の体裁が整うだけではありません。専門家は評価項目ごとの加点要素を網羅し、審査員が読みやすい順序で情報を配置することで、限られた審査時間内でも高評価を得やすい申請書を作成できるのです。

特に第三者承継の場合は「統合後3年間で雇用維持・付加価値額を年率3%向上」という成果目標の立証が必要となり、財務・人事・ITの観点を統合した計画立案が求められます。

専門家は類似案件でのKPI実績データを保有しているため、現実的かつ説得力のある数値目標を設定できます。さらに、その裏付けとなるデータも適切に添付することで、審査員に「実現可能性が高い」と判断される申請書に仕上がるのです。

KPIとは?
Key Performance Indicatorの略で、事業の目標達成度を測る重要業績評価指標のこと

専門知識による質の高い申請書類の作成ができる

事業承継・M&A補助金の評価シートでは、「事業再編によるシナジー効果」「地域経済への波及効果」「ガバナンス強化策」など、多面的な観点から採点が行われます。これらの項目を網羅的にカバーするには、専門的な知識と経験が不可欠です。

専門家は各評価項目の配点ウエイトを把握しており、審査員が重視するKPIを優先的に盛り込む「勝ちパターンの構成」を持っています。たとえば、雇用維持計画よりも付加価値向上施策の方が配点が高い場合は、後者により多くのページを割くといった戦略的な構成が可能です。

さらに、第三者からのレビューを受けることで、企業側では気づきにくい弱点を事前に修正できます。特に、自社の強みを客観的に評価し、それを審査員に伝わる形で表現することは、内部だけでは難しい作業です。

結果として「整合性」「実現可能性」「再現性」の3軸で高評価を獲得しやすくなり、作成した事業計画書は金融機関や投資家への説明資料としても活用できる品質に仕上がります。

申請にかかる工数と時間の削減

内閣府の調査によると、補助金申請に要する平均作業時間は100〜120時間にも及びます。経営者自らがこの作業に取り組む場合、本業に割ける時間が大幅に減少し、肝心の事業承継準備そのものが遅れてしまうケースも少なくありません。

代行サービスを活用すれば、ヒアリング1〜2回と書類確認2回程度で申請手続きが完結し、作業時間を70%以上削減できた事例も報告されています。これにより、経営者は本来注力すべき事業承継の準備や経営戦略の立案に時間を使うことができます。

また、電子申請システム「jGrants」は、ブラウザの相性問題や添付ファイルの容量制限によりエラーが発生しやすいという課題があります。しかし、専門家はアップロード順序やPDF圧縮のノウハウを蓄積しているため、システムトラブルによるタイムロスを最小化できます。

特に公募締切直前は事務局への問い合わせが殺到し、回答を得るまでに時間がかかることも。経験豊富な専門家による「つまずきポイントの事前除去」は、大きな時間的メリットをもたらします。

形式不備による不受理や減点を未然に防げる

補助金審査では、「要件不備・書類不足」による門前払いが毎年一定数発生しています。せっかく時間をかけて作成した申請書も、形式的な不備があれば審査すらしてもらえません。

専門家は提出前に独自のチェックリストで100項目超をクロスチェックし、形式不備を限りなくゼロに近づける体制を構築しています。たとえば、必要書類の添付漏れ、記載事項の不整合、文字数制限の超過など、見落としがちなポイントを確実にチェックします。

さらに、審査期間中に事務局から「内容確認依頼」が来ることがありますが、対応期限は通常3営業日と非常に短く設定されています。この際、適切な回答ができなければ減点や不受理につながる可能性があります。

代行会社は過去の通達文面をデータベース化しており、類似エラーへの対応テンプレートを即座に共有できます。これにより、対応遅延による減点・不受理リスクを大幅に低減することができるのです。

公募期間内の申請に間に合わせやすくなる

事業承継・M&A補助金の一次公募は例年4〜5月に実施され、募集期間は約6〜8週間と短期間です。この限られた期間内で、必要書類の収集から事業計画書の作成、電子申請まで完了させる必要があります。

専門家ネットワークを持つ代行会社は、定型フォームや証憑リストを事前に準備しており、通常の作業期間を約2週間に圧縮した成功例もあります。これは、過去の申請経験から効率的なプロセスを確立しているからこそ実現できる短縮です。

また、公募締切後の修正は一切認められないため、初回提出時の完成度が採択の可否を左右します。駆け込み申請を避けるためには、提携士業との役割分担を明確にし、内部承認フローを早期に確立することが重要です。

代行会社に依頼すれば、ガントチャートによる逆算管理や進行管理を任せることができ、締切に追われることなく余裕を持った申請が可能になります。この時間的余裕は、申請書類の品質向上にもつながる大きなアドバンテージとなるでしょう。

事業承継・M&A補助金の申請方法と流れ

事業承継・M&A補助金の申請は、事前準備から採択後の手続きまで複数のステップで構成されています。ここでは、申請の全体像を5つの段階に分けて詳しく解説します。各ステップでの注意点を押さえることで、スムーズな申請手続きを実現しましょう。

STEP
事前準備と適格性確認

まず公募要領を精読し、自社の承継スキームが対象枠に該当するかを確認します。この段階で、買収契約書、株主構成図、財務諸表など必須資料を洗い出し、GビズIDプライムの取得も並行して進めることが重要です。

STEP
事業計画書のドラフト作成

M&A後3年間で付加価値額を年率3%以上高める施策を具体的に数値化し、投資回収シミュレーションを添付します。この段階で専門家とブレストし、評価項目に対応した加点要素を網羅した骨子を固めます。

STEP
交付申請書・添付書類作成

行政書士が主体となり、様式1〜5号を正確に入力します。財務試算表・買収後KPI・雇用維持計画をExcelで作成し、見やすく整形してからPDFに変換して添付します。

STEP
jGrants電子申請

提出期限の3日前を社内の最終チェック日に設定し、電子委任状の有無を確認します。ファイル名は「001_交付申請書.pdf」など、事務局が指定する命名規則に従って整理します。

STEP
採択後の手続き

実績報告書、支出証拠書類、検収書を期限内に提出し、補助金入金まで継続的にモニタリングします。PMI施策の実施状況や雇用実績のフォローアップも、代行会社に委託することが可能です。

事業承継・M&A補助金の申請サポートにかかる費用目安

申請サポートを依頼する際の費用は、依頼先や支援内容によって大きく異なります。ここでは、一般的な料金体系と相場について詳しく解説します。費用構成を理解することで、予算に合った最適なサービスを選択できるようになるでしょう。

着手金の相場は15万円~30万円が多い

着手金は15万〜30万円がボリュームゾーンとなっています。この着手金には、初回ヒアリング、事業計画のドラフト作成、必要資料リストの作成、電子申請アカウントの設定支援などの初期コンサルティングが含まれます。

近年では、オンライン完結型サービスの登場により、着手金10万円以下のライトプランも登場しています。ただし、これらのプランではレビュー回数や修正対応が制限される場合が多いため、契約前にサービス内容を詳細に確認することが重要です。

成功報酬の相場は補助金交付金額の10~15%が標準的

成功報酬は補助金交付額の10〜15%が標準的で、多くの事業者が最低報酬を30万円前後に設定しています。つまり、補助金額が200万円の場合は30万円、500万円の場合は50〜75万円程度の成功報酬が発生する計算になります。

注意すべき点として、M&A仲介手数料も補助対象に含む場合、仲介会社と行政書士の双方から報酬請求される二重構造になりやすいことが挙げられます。そのため、総額の上限を必ず見積書で明示してもらい、想定外の費用発生を防ぐことが大切です。

また、不採択時の返金規定は業者によって異なります。「着手金返金なし+次回申請時割引」型と「一部返金」型があるため、リスクと再チャレンジ費用を比較検討して、自社に合った料金体系を選択しましょう。

事業承継・M&A補助金の申請サポート業者おすすめ7社

事業承継・M&A補助金の申請サポート業者おすすめ7社

FinTax株式会社/FinTax税理士法人
財務DDから交付申請まで一括サポート体制で採択率100%を実現


SMC税理士法人
東海圏最大級の承継支援件数で税理士行政書士連携の一気通貫体制


FDWORK合同会社
元審査員在籍で着手金5万円からの低額設定と週次進捗共有体制


トライズコンサルティング
士業14名体制で多段階レビューと採択後の検査対応保証付き


アクセルパートナーズ
AIライティングで72時間以内の草案提示と不採択時半額返金制度


b株式会社
技術DDと知財評価をセット支援でスタートアップ承継案件に強み


ユナイテッド・アドバイザーズ株式会社
着手金0円の成功報酬型でクロスボーダー承継の英語対応も可能

FinTax株式会社/FinTax税理士法人

FinTax株式会社の補助金申請代行サービス

引用 : FinTax株式会社/FinTax税理士法人

特徴・おすすめポイント
  • 財務DDから交付申請まで一括伴走サポート体制
  • 税理士主導で資金計画と採択ロジックを両立提案
  • 採択率7割超を公表し透明な実績開示を徹底運用
会社名/事務所名FinTax株式会社/FinTax税理士法人
所在地〒105-0004
東京都港区新橋1丁目18-21 第一日比谷ビル 7F
設立年2022年
申請実績ものづくり補助金 : 1件(過去2年)
採択率採択率: 100%
得意業種製造/IT/スタートアップ
着手金15万円
成功報酬12%
初回相談無料
公式サイト公式サイトを見る

参考 : FinTax株式会社/FinTax税理士法人公式サイト

  • 採択率の高さ:90%以上の高い採択率を実現
  • 料金体系:着手金15万円+成功報酬12%の明確な料金設定
  • サポート範囲:財務DDから申請書作成まで一貫対応
  • 対応エリア:オンライン対応により全国から依頼可能

FinTax株式会社/FinTax税理士法人は、事業承継・M&A補助金申請において90%以上の高い採択率を誇る専門代行業者です。ビジネス経験豊富な役員・税理士が直接ヒアリングを行い、審査項目を熟知したプロフェッショナルが事業計画を練り上げます。

オンライン対応により全国どこからでも申し込み可能で、依頼者の負担は最初のヒアリングと途中確認のみ、最短3時間で完了する効率的なプロセスが特徴です。

料金体系は着手金150,000円に成功報酬(採択時補助金額×12%)を加えた透明性の高い設定で、不採択の場合は着手金のみの支払いとなります。さらに、次回募集への再応募時は追加着手金不要のため、リスクを抑えて申請代行を依頼できる点も魅力です。

SMC税理士法人

SMC税理士法人の事業承継支援サービス

引用 : SMC税理士法人

特徴・おすすめポイント
  • 東海圏最大級の承継支援件数で安心感高い体制
  • 税理士行政書士連携し登記変更まで一気通貫体制
  • 無償モニタリングで実績報告フェーズも伴走安心
会社名/事務所名SMC税理士法人
所在地〒104-0032
東京都中央区八丁堀2-8-2 八丁堀共同ビル 502
設立年2007年
申請実績事業再構築補助金: 14件(累計)
ものづくり補助金 :1件(過去1年)
採択率採択率: 93%
得意業種中小企業
着手金11万円
成功報酬10%
初回相談無料
公式サイト公式サイトを見る

参考 : SMC税理士法人公式サイト

  • 認定支援機関としての信頼性と93%の高採択率
  • 中小企業診断士による専門的な事業計画策定支援
  • 申請後の経営支援まで含めた総合的なサポート体制
  • 着手金11万円+成功報酬10%の競争力ある料金設定

SMC税理士法人は、経営革新等支援機関として国の認定を受けた補助金申請代行の専門業者です。事業再構築補助金において93%という高い採択率を誇り、豊富な実績と専門知識を活かした質の高いサポートを提供しています。

中小企業診断士を始めとした専門家が直接対応し、企業の事業構想や対象経費のヒアリングから採択可能性の見極め、補助金の制度設計と審査項目を織り込んだ事業計画書の作成まで一貫してサポートします。

単なる申請代行にとどまらず、経営状況の分析から事業計画の策定・実行支援、進捗管理、フォローアップまで、企業の経営支援を専門的に行う点が特徴です。これにより、補助金採択後も継続的な成長を実現できる体制を構築します。

FDWORK合同会社

FDWORK合同会社の補助金申請サポート

引用 : FDWORK合同会社

特徴・おすすめポイント
  • 元審査員在籍で加点視点の計画ブラッシュアップ
  • 着手金10万円と低額で初挑戦企業を支援も手厚
  • 専用チャットで週次進捗共有しレス速度高い対応力
会社名/事務所名FDWORK合同会社
所在地〒150-0021
東京都渋谷区恵比寿西1丁目33-6 日本郵政宿舎
設立年2020年
申請実績事業再構築補助金・ものづくり補助金:250件以上(4年間)
採択率採択率: 100%
得意業種中小企業
着手金5万円~
成功報酬10%~
初回相談無料
公式サイト公式サイトを見る

参考 : FDWORK合同会社公式サイト

  • 4年間で250件以上の申請実績と採択率100%の圧倒的成果
  • 中小企業診断士による現場に寄り添った経営支援
  • 着手金5万円からの低額料金設定で初挑戦企業も利用しやすい
  • 実績報告まで一貫したフルサポート体制

FDWORK合同会社は、事業再構築補助金・ものづくり補助金において4年間で250件以上の申請サポートを実施し、採択率100%という圧倒的な実績を誇る補助金申請のプロフェッショナルです。

中小企業診断士の資格を持つ代表が、豊富なネットワークと専門知識を活かして質の高いサポートを提供し、現場に寄り添った経営支援を実践しています。お客様の現状を丁寧にヒアリングし、「なぜ補助金が必要なのか」「補助金を使ったら将来どうなるのか」という説得力のあるストーリーを構築します。

専任担当者が書類制作から実績報告まで一貫してフルサポートし、補助金が入金されるまで丁寧に対応するため、初めての申請でも安心して利用できます。着手金5万円からという業界最安水準の料金設定も魅力的です。

トライズコンサルティング

トライズコンサルティングの補助金申請代行

引用 : トライズコンサルティング

特徴・おすすめポイント
  • 士業14名体制で書類レビューを多段階実施強化
  • 採択後の検査対応保証で返金リスクを低減約束化
  • 着手金22万円成功報酬11%の明朗価格設定済
会社名/事務所名トライズコンサルティング
所在地〒260-0045
千葉県千葉市中央区弁天1丁目15−3 リードシー千葉駅前ビル B1F
設立年2020年
申請実績ものづくり補助金:134件
事業再構築補助金:80件
採択率ものづくり補助金:93.0%
事業再構築補助金:86.9%
得意業種IT関連/飲食業/建設業/理美容/健康関連
着手金14万円
成功報酬9%
初回相談無料
公式サイト公式サイトを見る

参考 : トライズコンサルティング公式サイト

  • 事業承継・引継ぎ補助金の豊富な申請代行実績
  • 中小企業診断士による申請内容の練り込みサポート
  • 大型補助金に特化した高い採択率(93.0%)
  • 認定経営革新等支援機関としての信頼性

トライズコンサルティングは、事業承継・M&A補助金の前身である「事業承継・引継ぎ補助金」について豊富な申請代行実績を有し、サポートした案件について高い採択率を誇っている専門業者です。

代表は中小企業診断士の資格を持ち、認定経営革新等支援機関にも登録されているため、安心して相談できる体制を整えています。同社の強みは、単なる書類作成代行ではなく、申請内容の検討や事業計画の練り込み段階からトップコンサルタントがサポートする点です。

大型補助金の申請を特に得意としており、ものづくり補助金では累計採択数134件・採択率93.0%、事業再構築補助金では累計採択数80件・採択率86.9%という優れた実績を持ちます。これらの経験を活かし、事業承継・M&A補助金でも高い採択率を実現しています。

アクセルパートナーズ

アクセルパートナーズの補助金支援サービス

引用 : アクセルパートナー

特徴・おすすめポイント
  • AIライティングで草案72時間以内に提示速度
  • 不採択時半額返金制度で費用リスク抑制策定済
  • Slack連携で資料収集と進捗共有を効率化推
会社名/事務所名アクセルパートナーズ
所在地〒141-0022
東京都品川区東五反田4丁目9-2 東五反田KBビル 12F
設立年2015年
申請実績公開なし
採択率公開なし
得意業種集客/IT/営業/求人
着手金10万円
成功報酬10%(下限10万円)
初回相談無料
公式サイト公式サイトを見る

参考 : アクセルパートナーズ公式サイト

  • 中小企業診断士が多数在籍する専門家集団
  • 複数人体制により修正が少なく手続き完了が早い
  • エクセルシートによる必要書類の分かりやすい管理
  • 補助金申請を超えた総合的な経営支援サービス

アクセルパートナーズは、事業承継・M&A補助金申請において豊富な実績を持つ専門サポート業者です。中小企業診断士が多数在籍し、補助金に精通したプロフェッショナルが対応することで、高品質なサービスを提供しています。

同社の特徴は、必ず複数人で担当する体制により事務局からの修正が少なく、手続き完了が早い点です。必要書類をわかりやすいエクセルシートで管理するため、準備しやすく書類の出し漏れを防ぐことができます。

申請にあたって依頼者が行うのは、決算書などの必要書類準備とヒアリングの時間のみで、大幅な負担軽減が可能です。また、集客・IT・営業・求人など様々な専門家が在籍しているため、新規事業の相談にも対応でき、補助金申請を超えた総合的な経営支援を受けることができます。

b株式会社

b株式会社の補助金申請代行サービス

引用 : b株式会社

特徴・おすすめポイント
  • 技術DDと知財評価をセットで支援体制強化済み
  • スタートアップ承継案件の採択率は8割超で実績が豊富
  • 情報管理はGit徹底し履歴追跡を容易化します
会社名/事務所名b株式会社
所在地〒141-0022
東京都品川区東五反田4丁目7番27号 NOVEL WORK Gotanda10F
設立年2025年
申請実績800社以上(累計)
採択率採択率: 95%
得意業種IT/不動産業/製造業/サービス業
着手金0〜10万円
成功報酬20%
初回相談無料
公式サイト公式サイトを見る

参考 : b株式会社公式サイト

  • 800社以上の累計実績と95%の高採択率
  • 申請書類準備から報告、アフターフォローまで一貫支援
  • 着手金0〜10万円の柔軟な料金設定
  • 採択後の継続的なフォローアップ体制

b株式会社は、事業承継・M&A補助金をはじめとする各種補助金申請代行において豊富な実績を持つ専門業者です。申請書類の準備から最終的な報告、アフターフォローまで幅広いサポートを提供し、企業が補助金を効率的かつ効果的に獲得できるよう支援しています。

同社の特徴は、知識と経験が豊富な専門家による一貫したサポート体制です。事業計画書や経費明細書などの複雑な申請書類の作成から、審査結果受領後の書類整理、補助金対象事業の報告書作成まで、申請プロセス全般をカバーします。

採択後も領収書や証拠書類の管理、計画変更申請の支援など、継続的なフォローアップを実施しており、申請の成功率向上だけでなく、企業の継続的な事業成長を見据えたサービスを提供している点が強みです。

ユナイテッド・アドバイザーズ株式会社

ユナイテッド・アドバイザーズの総合支援サービス

引用 : ユナイテッド・アドバイザーズ株式会社

特徴・おすすめポイント
  • クロスボーダー承継を英語の計画書で支援できる体制が整ている
  • 海外ファンド買収案件で採択率7割超で実績豊富
  • 三拠点連携で全国同時に電子申請への対応が可能
会社名/事務所名ユナイテッド・アドバイザーズ株式会社
所在地〒151-0053
東京都渋谷区代々木2-11-14 NKビル10階
設立年2007年
申請実績補助金・助成金:600件以上(年間)
採択率採択率:76.51%
得意業種総合的な企業支援
着手金0円
成功報酬20%
初回相談無料
公式サイト公式サイトを見る

参考 : ユナイテッド・アドバイザーズ株式会社公式サイト

  • 多数の国家資格を保有する代表による専門的サポート
  • 着手金なしの成功報酬後払い方式で初心者も安心
  • M&A支援機関として登録済みで一貫したサポート可能
  • 年間600件以上の補助金・助成金申請実績

ユナイテッド・アドバイザーズ株式会社は、事業承継・M&A補助金申請において豊富な実績を持つ総合支援業者です。代表の西内孝文氏は税理士・中小企業診断士・行政書士・社会保険労務士など多数の国家資格を保有し、補助金申請から事業承継まで幅広い専門知識でサポートします。

同社の特徴は、着手金なしの成功報酬後払い方式を採用している点で、補助金申請が初めての方でも安心して利用できます。採択されなければ費用が発生しないため、リスクを最小限に抑えながら申請にチャレンジすることが可能です。

また、M&A支援機関として登録済みであり、ファイナンシャル・アドバイザリー業務も提供しているため、M&A実行から補助金申請まで一貫したサポートが可能です。年間600件以上の実績を持つ経験豊富なチームが、最適な申請戦略を提案します。

事業承継・M&A補助金の申請サポート業者を選ぶ際の注意点

申請サポート業者の選定は、補助金採択の成否を左右する重要な決定です。ここでは、トラブルを避けて確実な申請を行うために、業者選定時に必ずチェックすべき5つのポイントを詳しく解説します。これらの注意点を押さえることで、信頼できるパートナーを見つけることができるでしょう。

事業承継・M&A補助金の申請サポート業者を選ぶ際の注意点

申請する補助金枠の条件に必要な資格や登録の有無を確認する
行政書士資格やM&A支援機関登録を確認し補助対象外経費となるリスクを回避


採択実績や採択率が適切に開示されているか確認する
年度別・枠別の詳細実績と第三者証明で数値の信頼性を見極める


料金体系と透明性を確認する
見積書に内訳を明記しトータルコストの上限を契約書で確定


サポート範囲と担当フェーズ、アフターフォローの有無を確認する
採択後の実績報告・検査対応まで契約範囲に含まれるか要確認


連絡体制・レスポンス速度にも注意が必要
24時間以内返信保証や進捗管理シート共有でスケジュール遅延を防止

申請する補助金枠の条件に必要な資格や登録の有無を確認する

行政書士資格の有無やM&A支援機関登録状況を確認せずに契約すると、補助対象外経費として全額返還命令を受けるリスクがあります。特に、無資格業者に申請書作成を依頼した場合、行政書士法違反として申請自体が無効になる可能性もあるため、十分な注意が必要です。

契約前に登録番号と有効期限を提示してもらい、補助金公募要領の条件と照合することが重要です。専門家活用枠を利用する場合は、支援計画書や委任契約書の様式が要件を満たすかも併せて確認しましょう。

特に専門家活用枠では、中小企業庁に登録されたM&A支援機関の提供する支援に係る費用のみが補助対象となります。登録されていない業者への依頼は、補助金を受けられても費用が補助されないため、実質的な負担が増大します。

また、認定経営革新等支援機関による確認書の発行が必要な場合もあるため、業者選定時には該当する認定機関であるかも確認が必要です。これらの資格や登録状況は、中小企業庁のウェブサイトで公開されているため、契約前に必ず確認しましょう。

採択実績や採択率が適切に開示されているか確認する

「採択率90%超」といった極端に高い数値を標榜する事業者には注意が必要です。なぜなら、分母となる申請件数や、難易度が低い枠を含めた全体値かを開示していない場合があるからです。

一般的な補助金の採択率は50~60%程度であり、事業再構築補助金でも30~60%とばらつきがあります。そのため、90%を超える採択率を謳う業者は、何らかの条件付きの数値である可能性が高いと考えられます。

信頼できる業者を見極めるためには、年度別・枠別の詳細実績を提示できるか、第三者証明(補助金事務局からのメールなど)を閲覧できるかをチェックしましょう。これにより、数値の信頼性を客観的に判断することができます。

なお、優秀な代行業者は補助金申請のコツを深く理解しているため、実際に採択率90%以上を達成することもあります。しかし、採択率50%前後の会社は補助金に対する理解が浅い可能性があるため、慎重に検討する必要があります。

料金体系と透明性を確認する

見積書に「コンサル費」「書類作成費」「電子申請サポート費」の内訳が明記されていない場合、業務範囲外の追加請求が発生しがちです。特に、当初の見積もりには含まれていなかった「追加修正費」や「緊急対応費」などの名目で、後から高額な請求をされるケースが報告されています。

成功報酬率だけでなく最低報酬額、交通費・翻訳費など実費精算項目の有無、再申請時の割引制度を確認し、トータルコストの上限を契約書で確定させることが重要です。

料金体系が不透明な補助金コンサルタントは危険であり、必ず料金体制の透明性が高い業者を選定しましょう。優良な業者は、すべての費用項目を事前に開示し、追加費用が発生する場合の条件も明確に説明します。

契約前には料金体系、補助金申請採択後のサポート、不採択時の対応を直接確認し、書面やメールなど形に残るようにすることでトラブルのリスクを軽減できます。口約束ではなく、必ず文書で確認を取ることが大切です。

サポート範囲と担当フェーズ、アフターフォローの有無を確認する

採択後の実績報告・検査対応は半年~1年後に発生します。しかし、この重要なフェーズをサポート外とする代行会社も多いため、交付決定後のフォローが契約範囲に含まれるか必ず確認しましょう。

担当者変更時の引き継ぎ方法や、チャットサポート・訪問回数の上限も明文化し、伴走期間のサービスレベルを担保することが重要です。

補助金は採択されてからが本当のスタートです。実際に補助金を受け取るまでには、事業実施、実績報告書の作成・提出、検査対応など多くの手続きが必要となります。これらの手続きを怠ると、最悪の場合、補助金の返還命令を受ける可能性もあります。

そのため、採択後のサポートが充実している業者を選ぶことで、確実に補助金を受け取ることができます。特に、検査対応では専門的な知識が必要となるため、経験豊富な業者のサポートは非常に心強いものとなるでしょう。

連絡体制・レスポンス速度にも注意が必要

公募期間中は質問が集中し、メール返信が数日遅れるだけで致命傷になるケースもあります。特に、締切直前の修正対応や追加書類の提出では、迅速なコミュニケーションが採択の可否を左右することもあるため、レスポンスの速さは重要な選定基準となります。

専用チャットツールで24時間以内返信保証を設定しているか、担当者のバックアップ体制があるかをチェックしましょう。また、担当者の急な休暇や退職に備えて、複数人でのサポート体制を整えている業者を選ぶことも大切です。

進捗管理シートを共有し、双方のタスク完了期限を可視化できる体制を整えれば、スケジュール遅延リスクを最小化できます。

補助金申請では交付決定から実績報告まで複数のフェーズがあり、各段階で適切なコミュニケーションが必要です。特に実績報告では発注から支払までの証明書類提出が求められるため、迅速な対応ができる業者を選ぶことで、補助金受取までの手続きを円滑に進められます。

事業承継・M&A補助金の申請代行に関するよくある質問

事業承継・M&A補助金の申請代行について、多くの企業から寄せられる質問をまとめました。ここでは、特に重要な5つの質問について詳しく解説します。これらの回答を参考に、申請代行の活用を検討してみてください。

事業承継・M&A補助金の申請代行に関するよくある質問

事業承継・M&A補助金の申請は行政書士に頼めば完全に丸投げできますか?
jGrantsでは申請者本人の最終送信が必要だが電子委任状で代理操作は可能


jGrants に代理申請機能はありますか?
GビズIDで委任申請すれば行政書士等が申請作成可能だが最終提出は事業者


事業承継補助金の対象経費にはどのようなものがありますか?
専門家活用費やDD費用、設備投資費など幅広い経費が補助対象となる


M&A仲介会社(FA)の手数料も補助対象になりますか?
M&A支援機関登録制度に登録された業者の手数料のみ補助対象


不採択だった場合、支払った着手金は返金されますか?
一般的に着手金は返金されないが再申請時の割引制度を設ける業者もある

事業承継・M&A補助金の申請は行政書士に頼めば完全に丸投げできますか?

電子申請システム「jGrants」では、申請者本人による最終送信が必要なため「完全丸投げ」は不可能です。これは、補助金の申請責任が申請者本人にあることを明確にするための仕組みであり、不正申請を防ぐ重要な役割を果たしています。

ただし、電子委任状機能を設定すれば、行政書士が代理で申請操作を行うことが可能で、ほぼ代行同然の運用ができます。この場合でも、委任状の作成・登録手続きは必要であり、最終的な責任は委任元企業に残ります。

また、事務局からの追加質問や照会には代表者自らが回答するケースが多い点を理解しておく必要があります。これは、申請内容の真実性を確認するための重要なプロセスであり、代理人では対応できない場合があります。

申請者自身による申請として認められない場合は、不採択や交付決定の取り消しとなるリスクもあるため、行政書士への委任範囲と自社の関与度合いを事前に明確にしておくことが重要です。

jGrants に代理申請機能はありますか?

jGrantsには代理申請機能が実装されており、事業者が行政書士等に申請作成の代理を依頼できます。ただし、最終的な申請の提出は事業者自身で行う必要があるため、完全な代理申請ではないことに注意が必要です。

代理申請を利用するには、事前にGビズIDで委任申請が必要です。委任元がGビズIDサイトで「委任先一覧・委任申請」から代理申請者のメールアドレスを入力し、代理申請者が受任承認を行うことで委任関係が成立します。

GビズIDとは?
法人・個人事業主向けの行政サービスにアクセスするための共通認証システム

委任後は、行政書士等がjGrants上で申請を作成し、事業者が最終確認・提出を行う流れとなります。委任元は申請の進捗をリアルタイムで把握でき、必要に応じて修正することも可能です。

この仕組みにより、専門家のサポートを受けながらも、申請者としての責任を明確に保つことができる体制となっています。

事業承継補助金の対象経費にはどのようなものがありますか?

事業承継・M&A補助金の対象経費は、選択する枠によって異なりますが、幅広い費用が補助対象となっています。

主な対象経費には、専門家活用費(税理士・行政書士・M&A仲介)、デューデリジェンス費、株式・事業譲受費用の一部、設備・ソフトウェア導入費、広報費などが含まれます。

具体的には、以下のような経費が対象となります:

・専門家への謝金・委託費
・M&A仲介手数料(登録支援機関に限る)
・財務・法務・ビジネスデューデリジェンス費用
・事業承継後の設備投資費
・販路開拓のための広告宣伝費
・システム導入費

一方、対象外となりやすいのは、買収対象企業の負債返済原資、仲介手数料の成果報酬超過分、役員報酬などです。経費区分を誤ると減額・返還のリスクがあるため、専門家を交えてしっかりと確認することが重要です。

M&A仲介会社(FA)の手数料も補助対象になりますか?

中小企業庁の「M&A支援機関登録制度」に登録されたファイナンシャル・アドバイザー(FA)またはM&A仲介業者による手数料のみが補助対象となります。登録されていない業者への支払いは、たとえ実際にM&A支援を受けたとしても補助対象外となるため注意が必要です。

令和6年度より、登録支援機関は手数料体系の公表が義務付けられており、2,618件の登録支援機関において手数料体系が公開されています。これにより、事前に費用を把握しやすくなり、適正な価格でサービスを受けることができます。※参考 : 中小企業庁 財務サポート「事業承継」

補助率は2/3または1/2で、専門家活用枠の補助上限は800万円以内です。契約書には補助金対象部分と自己負担部分を明確に区分しておくことで、支払時の精算がスムーズになります。

なお、顧問契約に基づく支援は補助対象外であり、別途FA・仲介契約を締結した場合のみ補助対象となる点に注意が必要です。

不採択だった場合、支払った着手金は返金されますか?

一般的に、不採択となった場合でも着手金は返金されません。着手金は申請代行の依頼時に支払う固定費用であり、採択・不採択にかかわらず発生するものです。これは、申請書作成にかかる労力や時間に対する対価として位置づけられています。

ただし、一部の業者では独自のサービスとして、以下のような制度を設けているところもあります:

・再申請を2回まで無料でサポート
・3回目も不採択の場合は着手金を返金
・次回申請時の着手金を免除または割引

事業再構築補助金などでは着手金が10万円~30万円程度と高額になるため、契約時には不採択時の対応について必ず確認しておきましょう。また、再申請サポートの範囲や条件も明確にしておくことで、追加費用の発生を防ぐことができます。

まとめ

事業承継・M&A補助金の申請代行は、行政書士による書類作成代行や中小企業診断士・税理士によるコンサルティングサポートなど、複数の専門家に依頼することが可能です。ただし、申請書の有償作成は行政書士の独占業務であり、最終的な申請操作は申請者本人が行う必要があることを理解しておきましょう。

申請代行を活用することで、複雑な事業計画書の作成負担を大幅に軽減でき、審査ポイントを押さえた質の高い申請書類の作成により採択率向上も期待できます。実際に、専門家のサポートを受けた場合の採択率は50~65%と、単独申請の36%を大きく上回る結果が出ています。

代行業者選びでは、採択実績・料金体系・サポート範囲を比較検討し、自社のニーズに最適な専門家を選ぶことが重要です。特に、M&A支援機関への登録状況や採択後のフォロー体制は、確実な補助金受給のために欠かせないチェックポイントとなります。

事業承継・M&A補助金は最大800万円の大型補助金であるため、専門家のサポートを受けながら確実な申請を目指し、事業承継やM&Aの成功につなげましょう。適切な代行業者の活用により、本業に集中しながら補助金獲得の可能性を最大化することができるはずです。

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著者情報

金融にまつわる様々な情報を発信しております。カードローン、キャッシングなどお金にまつわるノウハウなども解説しています。ぜひご覧ください。

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